昨年のオーバーアーケード解体後、課題でした雨よけ・日よけ対策がようやく一区切りしました。
40年前オーバーアーケード建設に合わせ、当店も木造の店舗から現在の店舗へ改築しました。
オーバーアーケードの高さに合わせ、吹き抜けガラス張りのショーウインドーにしましたが、オーバーアーケード解体後それがアダになりました。
解体直後にUVカットフィルムは貼ったのですが、おひさまがサンサンと射し込み、暑いし、まぶしくて商品の色も分かりづらいし、やっぱり商品の日焼けは気になります。
おまけにお客様からは「雨が降ったら商店街いかない」とか「日陰が無くて暑くて歩けない」・・・etc
当店の品揃えに対しても「店頭に以前のようなお買い得品を店頭に置いて欲しい」とご要望を頂いておりました。
以前より、おとなりの紅屋さんのような雁木の設置は検討しておりました。
雨よけとしてはこのぐらいの幅があれば十分なのですが、店頭に商品を陳列して日よけになるには、店舗から3mくらいの幅が必要です。
で、ここで大きな壁が立ちはだかるのです。
私有地に雁木を作るのは、なんら問題ありませんが、公道に建造物を作る事は「個人が公共の道路を占有している」とみなされ、県の許可がおりません。
写真の左側のオレンジ色の歩道は私有地ですが、右側のエンジ色の歩道は燕市道です。
エンジ色の燕市道の歩道部分には、柱を立てたり、屋根が掛かったりしてはいけないのです。
古くからある雁木は修繕することは可能ですが、壊したらもう県の建築許可がおりないので単体では作れません。
半年ほど前、店舗の建て替えをした穀町の竹内化粧品店さんも、以前はお隣のロンドンさんから雁木が続いてました。
残念ながら一度雁木を壊してしまったら、もう歩道上に雁木は作れないのです。
商店街をご利用のお客様方からは「宮町も仲町の商店も雁木も作らんでダメらな~」と、お叱りを受けますが、この様な事情があり、各商店雁木やひさしは付けたいが、どうすれば良いか頭を抱えております。
「商店の経費で歩道に雁木を作れば、歩行者も雨や雪、直射日光を避けられるから、公共のためにもあっていいじゃないか」という理屈もあるのですが、やはり線引きが必要なのも分かります。
我々のような小さな商店であってもコンプライアンスは守らなければなりません。
行政側は特例を用意してくれてます。
ひさしであれば公道上に40㎝まで飛び出し可能。ただし平米数千円ですが、年間使用料を市に支払います。
もう一つは商店街を組織してアーケードを作ることです。
ある一定の距離とエリアにおいて繋がった雁木、つまりはアーケードを作る事は公共性があると解釈され、公道上に建造物を作ることが許可されます。
商店街としてもオーバーアーケード解体後にアーケードの設置も検討したのですが、営業しているお店の数と同じくらい民家が増え、実現は厳しい状況です(涙)
そんなわけで宮町や仲町のお店は、雁木欲しいけど作れないという状況なのです。
そんな諸事情もあり、雁木を作りたいのですが、なかなか進みません。
当店の場合、歩道から2mほど下がって店舗を建築したので、2m幅の雁木を設置することは可能です。
ただどうしてもネックになるのが、店舗側と歩道側に柱を4本づつ立てなければなりません。
歩道の端で電柱のとなりに柱を建てればスッキリするのですが、道路占有になるので建てられません。
歩道が2m、私有地が2mとスペースは広いのですが、私有地の隅に柱を建てると、歩道の真ん中に柱が建つような状況になります。
敷地内の端っこに柱を建てたつもりでも、道を歩く歩行者にとっては「道の真ん中に柱が立っている」と思える状況です。
柱が邪魔で危ないので雁木の設置は断念しました。
ありがたい事に建築会社を経営している同級生がおりましたので、丸山組さんに相談にのってもらいました。
餅は餅屋ですね!いい物を提案して頂きました。
「オーニング」と呼ばれる、可動式のテントです。
店舗幅10mでも1枚でOK。最大3.5mも伸びたり縮んだりする優れものです。
とはいえ、大きくて結構な重量ですから、設置は大変だったようです。
おかげさまで、雨雪や直射日光も遮る事ができ、店頭にも以前のようなお値頃品を陳列することが出来るようになりました。
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